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WeWorkはサプライズ価格で提供開始! [プライス]

参考記事 https://www.businessinsider.jp/post-223225


WeWorkがシェアオフィスのサービス料金を従来の半額となる月額3万9000円(税抜)に変更した。半額とは思い切った価格変更になる。この手のビジネスは性質上破格の固定費を抱えている。逆に変動費はないに等しいのではないか。WeWorkの特徴はカフェのようなおしゃれな雰囲気と、高級感のあるテーブルやイスがあること。それと、主要都市に拠点があって自由に使うことが可能。フロアは自前または賃貸、設備は買い取りまたはリース、これらで固定費の水準は変わってくる。今回の大幅な値下げの実現はそれらの費用を大幅に削減できた証かもしれない。


外部環境においてコロナ禍によるリモートワークの推進は強力な追い風になっている。会員数が23000人以上で去年から今年と急上昇している。価格変更後、現在と同じ売り上げを維持するには、倍以上の会員数が必要になる。ここまで強気なのは現時点で大幅な収益を確保でき、今後も会員数が順調に推移すると確信しているのでしょう。


WeWorkは一時経営難に陥ったという報道があったので、シェアオフィスビジネスは難しく普及しないのかと思っていたが、コロナ禍により同社の日本法人に限っては順調に成長している模様です。今後は会員を囲い込みながら、オプションメニューでの収益確保が課題となるでしょう。有望なアイデアを持った起業家が会員にいる可能性もあるので、ベンチャーキャピタルの窓口機能を付加価値とするのも興味深い。



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価格を下げるのは思考停止状態を意味する [プライス]

価格設定に狙いはあるのか?
事業を始める際の価格設定は自らを評価する重要な決定要素だ。感情的情報を根拠にして無計画に決めてしまうと、後で痛い目にあう。それに事業開始前に決めた価格を目的なく維持するのは、市場や自社の評価を認識する活動を怠けている証拠だ。市場を見渡せば需要と供給が常に変動し、自らの売り物の評価も常に更新されている。情報の流通と拡散の速度が圧倒的に早くなっているのを生かすことが求められる。


過剰な安さは誰かが苦しむ
デフレ以降、過剰に安いサービスが多く散見される。競争環境がそれほど厳しくないのに、あっと驚く低価格を設定したりする。正常なサービスを提供できないレベルまでコストを削ると、そのしわ寄せが必ず誰かの負荷になる。自動車業界での、メーカーは儲かるが末端の部品メーカーが経営に苦しむのが正にこれだ。

事業は儲けるのが基本的な目的であり、理念なく自ら安くする必要はない。イニシアティブを持つメーカーは、バリューチェーンに参画している関連会社に儲けが行き届くよう管理して欲しいし、それがメーカーの責務だ。操業度が高ければ儲かるというビジネスの鉄則は守られるべきだ。


価格弾力性の視点はあるか?
価格弾力性という指標がある。価格を変えることで需要がどれだけ変動するかを表した数値だ。弾力性が低ければ価格を下げるメリットはないし、上げるための施策を考えた方がいいだろう。弾力性が低い代表的なものは、高価な贅沢品。仮に100万円のダイヤモンドを90万円に値下げした場合、1億円のマンションを9000万円に値下げしても需要の大きな変化はないだろう。


価格を上げる難しさ
価格を下げるのは、自らのサービスの評価を低く見積もること。マクドナルドの例をみれば分かりやすい。2000年以降、同社は低価格戦略でシェアの獲得を急いだ。しかし、市場のニーズが徐々に嗜好性重視に変わり、単純に安いだけでは売れなくなった。しかし、マクドナルトは中期的な業績悪化に耐えきれず、低価格路線に戻るのを繰り返す負のスパイラルに陥っていた。最近になってやっと、デフレ前の元気なマクドナルドに復調した印象だ。

一度下げた価格を上げ戻すのは非常に難しい。市場は値下げに対して、一時的な評価をするものの、常態化すると効き目が薄れる。上げ戻すには、一時的な客離れを織り込んで、客層を変えたり、サービスのアップデートをうまく宣伝できれば上げ戻せる可能性はある。


価格を下げる打ち手は最終手段
目先の儲けに惑わされないこと。クリエイティブに幅広く選択肢を考えられる俯瞰した視点は大事だ。マーケティングにはいろいろ要素があるので、どの要素をいじれば効果的なのかを冷静に考えてほしい。価格を下げる打ち手は、思考停止になった企業のすることだ。

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価格を小売店に委ねない覚悟。 [プライス]

▼きっかけはラジオ
あるラジオ番組を聴いてたら、商品紹介のコーナーが流れてきた。普段なら聞き流し、その製品をネット検索することはまず無い。しかし、今回の製品は気になり、ネット検索し、品切れリスクを考え量販店に在庫確認までした。その数時間後にはパソコンを使い、YouTubeに投稿されていたジャパネットたかたのテレビショッピングのコンテンツを使って家族内プレゼンを行っていた。最終的に家族内決裁を取り付け、早速購入してきた。最安で販売しているところを探そうとしたが、どこの価格も5980円なのだ。まるで金太郎飴みたいで、これはなんらかの意図が働いていると気づき、価格を諦めてポイント還元など販売促進での特典に焦点を絞った。最終的にケーズデンキの購入時割引を選択し買ってきた。

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▼価格を維持する目的
メーカーと小売店では、価格に対する狙いが相反する。メーカーは、できるだけ高い価格で販売し、利幅を確保したい意向が強い。それとメーカーのブランドイメージを崩したくないプライドもある。したがって価格操作(値引き)よりも販売力で売ることを期待する。小売店は、購入希望者とリアルに対面するため、競合価格や訴求価格をくみ取りたい衝動にかられ、価格を操作して楽に売りたいし、在庫を掃きたいと考える。販売委託契約や卸す際のルールをどう定めているかで、価格決定プロセスは変わる。メーカーが決めずに、小売店に価格の裁量を任せるオープン価格が最近の量販店におけるスタンダードである。


▼小売店との交渉を有利に進められた理由
ここまで徹底して価格を統一させるには、相当の交渉力がないと実現できない。交渉が優位になる主なケースは以下になる。3Dアースシャワーは最下項目の特許済みの独占技術による製品、一つ上の製品ぷなのだ。

・メーカーのコーポレートブランドが確立され、ユーザーの選好で優位になる
・圧倒的な販売シェアを獲得できる製品(群)ブランドがある
・売れる見込みが高く販路が限定されている
・ヒット商品の後継品
・競合を寄せ付けない安さの初期価格を提示
・製品プレゼンテーションの巧さ
・特許済みの独占技術による製品


▼特許の優位性
同じ技術に模倣されることがなく、完全な差別化製品として小売店に置かれ、競合との価格比較選好を回避できる。したがって価格を下げる理由がない。同製品メーカーが強かなのは、自分達が欲しい利益を明確にし、現在の価格で十分に達成できることを知りながらプロダクトライフサイクルを長く見ているところだ。とにかく日々の結果が欲しいという焦りから利益率よりも販売数に軸足をおいてしまうと値引きを容認したい衝動に駆られる。特許を取得すると一定期間技術が守られるため、その期間内で収益を計算すればいいのだ。特許が無ければ競合がすぐに模倣品で参入するため、先行者利益を短い期間で獲得しなければならない。


▼プレゼンテーションの巧さ
特許による独占技術と同等に効果的だった施策は、小売店に対するプレゼンテーションだ(以下プレゼン)。製品を使った際のメリットについて、水道光熱費の削減金額を使い、リアルな数字で提示し、ダイレクトに訴求する手法を各小売店が横並びでやっていた。その源はメーカーが小売店に対し、効果的な訴求が容易にできるよう訴求情報を分かりやすく魅力的に伝えたこと。いい製品だとしても、販売する下流にうまいプレゼンができなければ来店者に魅力を伝えられず売れないのだ。


▼武器と覚悟をもて
製品は販路が無ければ売れない。全国的に、早く、高い販売数を実現するには、巨大な販路をもつメジャーな小売店との交渉を避けては通れない。パワーバランスは交渉に大きく反映されてしまう。しかし、今回取り上げた企業のように交渉を優位に進めるための武器を持つことで、状況を打破できる。ゲームみたいに課金して武器を手に入れることはできない。戦略的に長期的な視点で企てて、本件のような強かな計算をすることにつきる。

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