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お客様を格付けするのは常識?or非常識? [顧客管理]

▼格付けとは?
売上は多くの顧客がサービスを利用して、その対価として受け取ったお金の蓄積である。どのビジネスでもそうだが、全員が同じ利用頻度で同じ金額で利用することはほとんどない。利用(購入)の仕方は千差万別と言ってもいい。したがって顧客により一定期間の対価の総額は相違し、言い方を変えれば顧客によるビジネスへの貢献度に差が出る。例えば居酒屋のお客さんで毎月10万円使う人と、1万円使う人がいたとしよう。仮に原価率50%の場合だと前者の場合の粗利は5万円、後者の場合は5千円で、10倍の違いになり、このペースが続けば更に貢献度の差は大きくなる一方。こうしてみると居酒屋に対して貢献しているお客さんは明らかだ。その貢献度を目安に識別するのが格付けである。


▼格付けする意味とは?
貢献度の高い顧客は何らかの魅力やメリットを感じるからこそサービスを多く利用したいと考え、対価を払う。新しいサービスが出れば興味を抱く可能性は非情に高く、次なる展開に大きな期待を抱いているはずだ。貢献度の低い顧客は、同様の感覚を持っていないばかりか関心が低く、サービス提供側に変化があっても気づかないだろう。販売促進の予算が限られた中で、既存顧客に対する施策を行う際に高い効果を計算できるのは、貢献度の高い顧客であることは間違いない。要は提供側が顧客の期待に答えれば、貢献度の高い顧客はそれに答えてくれる相思相愛な関係なのだ。


▼今はスピードスイッチの時代
今の時代は変化の速度が速い。ビジネスが成功しても追随する競合がすぐに現れ、先行者利益が小さくなるケースが多い。インターネットやスマートフォンなどITツールの普及で、情報流通が早くなり、消費者の意識も10年前とは全く違い、顧客のブランドスイッチが迅速だ。昔のようにサービスを現状維持するだけでは、競合に奪われるのみ。したがって素早い打ち手をどんどん繰り出していくしかない。素早くするには、プライオリティが必要。その時に格付けされた顧客情報を有効に利用できる。形は提供するサービスによるが、プレミアムをつけることは有効な手段になるだろう。それにより貢献度の低い顧客と差別されているという実感を貢献度の高い顧客に感じてもらうのだ。



▼格付けは常識
貢献度の高い顧客に対して競合の魅力的な誘引は多数きているはずだ。顧客自信も「貢献」という表現はしないだろうが、「それでも買ってるんだぞ」という自負はある。そこをくみ取ることが、格付けの最大の目的になる。利益は自社と株主だけに還元される時代は終わり、貢献度の高い顧客に対し何らかの形で還元する時代に入った。

AIDMAからAISASモデルへ。 [顧客管理]

12月12日の日経流通新聞に大変的を得た解説がありました。

学習院大学経済学部経営学科特別客員教授でフリーアナウンサーでもある
八塩圭子さんのコラム欄に書かれていたものです。
オフィシャルサイト http://www.keikoyashio.com/index.html 

これまでの広告効果モデルでは、AIDMAをベースにした考え方が一般
的でありました。

A注意→I興味→D欲求→M記憶→A行動

これは広告をする上でAIDMAに当てはまるそれぞれのターゲット群の
心理状態に合わせ、広告内容を変化させることで、上記の→の方向に移行
させていくという考え方である。側面を変えればA行動に属するターゲッ
トに対し、A注意向けの製品やサービスの基本情報を公告によりリーチし
ても、効果は発揮されないのである。


しかし、近年のインターネットの普及により、購買行動モデルの視点で広告
代理店大手の電通が提唱しているのはAISASである。

A注意→I興味→S検索→A行動→Sシェア

AIまでは一緒ですが、S検索以降が違うのです。インターネットの普及で
二つのスキルを消費者は得たのです。それは情報検索と情報発信で、タイム
リーに、そして自分が欲しい形で情報をキャッチまたは発信でき、他人への
影響度が高いものなのです。


八塩さんのコラムにあったように、A注意とI興味の心理が働けばインターネ
ット上で検索して、仕様や価格、評判に関する情報を入手し、比較してコスト
パフォーマンスの高いものを購入し、その利用価値をブログなどを通じて発信
する流れになる。


AIDMAと比較して、相違する点はプロセスを完了するまでの時間が短縮さ
れたこと、消費者が能動的に行動すること、情報を発信することである。旧モ
デルは、企業側主導といった観があり、新モデルは顧客側主導といったところ。


電通が提唱したAISASにより、製品ライフサイクルも変わってきた。イン
ターネットの普及の前までは、中長期的なサイクルが多く、なだらかに上昇す
るものでした。普及後は、短期的になり、急激に上昇し、急激に下降するサイ
クルが多い。


その大きな要因は、Sシェアによるものである。これまで企業メディアからの
情報しかキャッチできなかったのが、個人のメディア化が進んだことで、多数
の個人から情報をキャッチでき、情報流通のスピードが加速したのです。
その結果、短い期間に購買量が集中する現象が起きている。

情報の送受信モデル 「1対多」→「多対多」



しいて言えば、電通の提唱したモデルにcomparison(比較)を加えて欲しかっ
たです。AISCASと言う形で。
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