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最近増えたビデオ研修の落とし穴。 [コミュニケーション]

最近増えているのがビデオを見せて業務内容を理解してもらう手法。コロナ禍でできるだけ人を密集させないために一人一人がパソコンに向かい黙ってビデオを見るというもの。内容次第では効果を発揮する場合もある。しかし、ほとんどの場合は受講側が消化できずに質問の嵐が巻き起こるだろう。しいて言えば、経験者向けなど復習題材として利用するくらいだろう。



ビデオ研修のデメリット
職種別でも効果は異なる。例えば体や手作業など技術的な職種だとビデオ研修は有効。口頭で説明するより映像で実際の動きを見せた方が頭に入る。しかし、パソコンの画面内で作業する場合は異なる。よくあるのはパワポの資料やPDF化された資料を音声でなぞり読むタイプのもの。資料には構成図や概念図、文章で補間され解説されている。経験があり業務イメージができている人なら、あのことかなどイメージできるが、初めての人にとってはたんたんと流れる映像と音声では理解するのは難しい。

理解できなかった部分があったとして、その時点で質問できないままになり、質問が貯まり続けてしまう。精神衛生上良くない。質問時間をまともに用意していない研修は意外と多い。質疑の効果を最大限にするには、その都度質問し即答されることだ。多くの人は自分の思考で理解しようとツジツマ合わせのため質問をする。それに質問は質問者だけのものではなく、研修を同様に受ける人たちに即座に共有されるため効果の大きい援護射撃なのだ。


吸収力は水物。
研修を進める人は、受講者の理解力やモチベーション、疲労度などを加味し調整しながら進行する。そうしないと、一番起こしてはいけない集団消化不良に陥り、大量の時間が無駄になる。ビデオ研修の場合は、設定された時間内に見るルールがあり自動で淡々と進んでいく。受講者のコンディションは全く考慮されないのだ。誰でもそうだが吸収がはかどるタイミングと、吸収力が著しく落ちるタイミングがある。したがってビデオ研修だと、それを無視しているようなもの。


ビデオを有効に使う方法とは
ビデオ研修に依存せず、効果の大きい部分だけ利用するのがベスト。業務の目的、概念や構成図、用語の解説など、全員に共通の知識を植え付ける場合に非常に有効だろう。これらの説明は研修初期の段階に10分~15分程度がちょうどいい時間幅。30分以上だと長くなり、だらだらして効果が下がる。注意点としては、質問タイムを設けること。ビデオを見せる前に質問タイムがあることを伝えておけば、不明な点をメモとして残しておくはず。質問タイムの有無を曖昧にしていると、流す人が出てきて、理解が進まなくなる。



研修はパフォーマンスが低ければ全く意味がない。決められた時間内で最大の効果を発揮するにはトライ&エラー、PDCAの思想が求められる。試行錯誤して洗練させていき初めて最良の研修ができるのです。



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