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金魚の例え [組織]

先日、ある人から問題を出された。
その問題は以下になります。


一つの水槽に数十匹の金魚を飼っていました。ある日、水槽の真ん中に透明なガラス板を入れ、金魚達を水槽の半分の領域でしか泳げない環境にしました。したがってもう半分の領域では1匹も泳いでいない。その状況を数日継続した。

数日経過した後に、透明なガラス板を水槽から外して、元の状態に戻した。しかし、金魚達は水槽全体を泳げるのに、ガラス板が入った状態のように半分の領域でしか泳がなくなってしまった。

ここで問題です。
ガラス板を外した後に、金魚達が水槽全体を泳ぐようにするには、どうすればいいでしょうか?

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ここからは解説になります。
これはあくまで組織論に関する問題なので、物理的に答えを見出すよりも仕事における過去の経験、現実の組織の問題として捉えるのが有効になります。


仕事を積み重ねていくと、知らず知らずのうちに思い込みや諦めから見えないルールを作ってしまうことは多い。これが個人レベルであればいいのだが、チームや組織全体となると、負のスパイラルは巨大化していく。特に日本においては、多数に対する同調性が強いので、更に悪化させていく。よく言われるダイバーシティはこのリスクを低減させる対策ともとれる。


さて、問題の状況に当てはめると、金魚達はガラスがないのに、さもあるかのように思いこみ、もう半分に関心を向けたり、飛び出す勇気を持てずにいる。同じ状況を続けているだけなのだ。組織に例えると、リスクを冒し新しい手法やターゲットにチャレンジすることなく、これまでと同じことを繰り返す楽な選択をしている。


ここからは答えになります。
金魚達が全体を泳ぐようにするには、新しい金魚を水槽に入れるのである。新しい金魚はガラス板が水槽にあった経緯を全く知らずに何のしがらみもなく水槽全体を泳ぐ。それに連られ古い金魚達も水槽全体を泳げることに気づき、伸び伸びと泳ぎ出すのだ。

組織において、外部から新しく入ったきた人がシンプルに考え行動したことが、真を突き成果を上がることは意外にあることだ。慣れ過ぎたり、長い経験があると逆に考えすぎて行動できないことがあり、無知であるが故に行動できてしまうことってあると思う。組織論的に言うと、組織に閉塞感、沈滞ムード、あきらめ感がある時には、新しいメンバーを追加したり、入れ替えたりなど、組織に刺激を与える対策が必要なのだ。

注意点としては、負のスパイラルに同調しやすいメンバーの追加は全く意味がない。しっかりと事前に目的意識を持たせ、何のためにそのチームに入るのか共通の認識を持ってもらうのだ。何らかのインセンティブも必要になるだろう。


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