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クラフト切れてるチーズのパッケージにマクドナルドの広告ありの巻 [ターゲティング]

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朝食で納豆を食べる際に、チーズを混入している。子供のころから大好きで、冷蔵庫にチーズがあれば必ず入れていた。最近家にあるチーズは森永乳業のクラフト切れてるチーズである。納豆1パックに1個の切れチーズが量的にちょうどマッチして、コスト的にもそれほど高くはない


朝食べる時にふとパッケージを見ていたら、「マクドナルド」というネームが目に入ってきた。更に見ていくと「チキンが、変わる」と書いてあり、チーズバーガーの印象が強くあったので、ノリツッコミのように、「マクドナルドかあ、やっぱりチーズは美味しいだろう」とつぶやいた瞬間、「あれっ」となった。


ネットで調べてみると今年2月ごろにタイアップキャンペーンを行ってたことが分かった。今回の広告内容はチキンの味が美味しくなったことの告知とそのチキンのクーポン配布であった。他社の人気製品パッケージにまで掲載する程の力の入れ様は何なのか気になってしまう。


振り返ってみると、マクドナルドはプロモーション活動において、多くの企業とタイアップしてきた。そう考えれば森永乳業との広告連携は考えにくい話ではない。しかし、これまでのマクドナルド店舗内でのプロモーションが前提だったのと違い、別会社の製品に広告を載せている。


ここでポイントになるのは、マクドナルドは何を狙ったのかだ。これは仮説になるが、前提として森永乳業との取引があり、そこからの派生ではないかと。考えられる動機は、ターゲットだと思う。


マクドナルドが今回の施策で狙った層はファミリーのはずだ。クラフトの各シリーズはプロセスチーズと呼ばれるもので、そのまま食べるためのものではなく、調理前提のチーズなのです。1人暮らしの男性では、凝った料理をする人以外はなかなか買わないもの。女性もダイエットを意識してる人は避ける傾向が高い。そうすると残るチーズ好きは誰か? それは子供であり、子供に人気のある食材なのだ。なので子供のいる家庭で購入するケースが多い。


マクドナルドの大半のお店は、ファミリー層を狙ったコンセプトになっていて、今回バージョンアップしたチキンを食べてほしいのもその層だ。クラフトチーズとターゲットがほぼ同じであることから、今回の施策の効果を期待できると踏んだ理由だと考える。


補足すると、マクドナルドが狙っているのは、最終的にクリスマス商戦なのかもしれない。ファーストフードによるチキン戦争がここ数年起きている。チキンのマーケットリーダーは、言わずと知れたケンタッキーだが、ここ数年はかなり追い込まれている。その布石をこの施策で打っていると考えることもできる。


もう一つ気になる点は、ブランド管理部分だ。クラフトは森永乳業にとって大事なブランドのはず。パッケージデザインもイメージを想起させる工夫がされていたりと、凝っている印象である。そこに他社製品の広告を載せることは、傷がつく可能性がある。しかし、今回踏み切ったということは、ブランドには傷がつかないと判断し意思決定したからである。


仮に吉野家やすき家だったらどうなのか? おそらくやらないだろう。それはマクドナルドというショップブランドの浸透度と子供からの好感度は相当なもので、世界的にもそうだが、国内トップレベルのブランド力であることは間違いない。プラスの効果が大きいと想定するのが妥当だ。
加えてクーポン掲載の効果も期待できると考えたに違いない。

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スバルはグッドなお手本。 [ターゲティング]

不景気の波で、スバルも厳しい状態が続いていた。しかし、変化を遂げることで現在の好調にたどりついた経緯がある。自動車業界の多くのメーカーは、グローバルにフルライン戦略をとり、複数の主要ターゲットに対し、バラバラで製品開発、マーケティングシステム、販売店設置などを行っていた。要は高コストになるリスクをとりながら、高い販売目標を達成しなくてはならない状況下にあったわけだ。


この時のスバルは他の自動車メーカーと同じように、複数のターゲットに対して製品を供給する体制をとっていた。しかし、不景気の波と同時に経営が厳しくなった。加えて自社本位のプロダクトアウトのマーケティングから転換できず、更に悪化していった。


いろいろな経緯を得て、スバルは変わっていくことになる。差別化マーケティングによる各主要ターゲットに向けた製品供給をやめ、集中化マーケティングに切り替え、感度の高いターゲットに絞り込むことにした。そうすることで、限られたリソースを集中させることができ、効率を高められると踏んだ。ターゲットもボリュームで選ぶことをやめ、スバル車の価値に共感し、ノウハウや強みを十分に生かせるターゲットを選択している。選択と集中を志向したのだ。


更にプロダクトアウトからマーケットインに社内の価値観を一掃させ、技術者が作りたい車でなく、ターゲットのニーズに基づいた車を開発するようになってきた。要約すると高コスト体質のビックビジネスから低コスト体質のスモールビジネスにモデルチェンジできたことになる。


スモールビジネスに変身でき、外部/内部環境の変化にいち早く対応できるようになった。他の自動車メーカーは、大きさを保っているため、環境変化に対する動きが鈍いので、ここをスバルの強みにしたのだ。


もちろん、要因はこれだけではない。提携の側面からも業績アップにつながるものがあった。一つは、GMとの提携により、グローバル戦略を展開している組織と交流でき、スバル社員もグローバルな意識を持つようになった。他にも幾多の提携で、企業文化の違う組織に触れることで、社員が多方面に成長したのです。トヨタの傘下に入ったのも、開発リソースを補うなど弱みを克服するためという強かな狙いがあったからだ。


スバルのケースからの大きな気づきは、自らのビジネスのSWOT(強み、弱み、機会、脅威)をできるだけ正確に把握し、それに向けたアクションプランを確実に実行していくことでした。この記事で触れられなかったブランド形成や高付加価値戦略については、いづれ触れたいと思う。

「誰に」売るのかをもっと掘り下げれば見えないことが見えてくる。 [ターゲティング]

先日、私は最初に学んだ時の感覚を取り戻したいと思い、とあるセミナーに参加してきた。セミナー内では、ある企業のヒット商品のケース学習になっており、最初は一つのヒントもない状態で、その商品を市場投入した際のマーケティング戦略を想定しろと言うものでした。

私は以下の流れでフレームワークを作り、想定しました。

◆環境分析

◆自社の強み

◆市場機会の発見

◆セグメンテーション

◆ターゲティング

◆ポジショニング

◆4P

ある程度流れもできて、平均的に情報がプロットされ、これぐらいでいいだろうと思い、余裕をかましていました。そして、講師の解説が始まるとすぐ、自分の戦略で肝となる部分が薄くなっていたのに気づきました。そこは「誰に」売るのかの部分でした。私と同じテーブルには、大手企業の方や個人事業をやられている方もいて、経験豊富なメンバーでしたが、私と共通して「誰に」の部分が薄くなっていました。同じテーブルメンバーによりチームとしてプレゼンした際は、当然のように「誰に」部分において激しいツッコミをされました。それほど大事なところなのに、立案する側にとっては意識されにくい部分なのです。


「誰に」売るのかがぼやけてしまうと、上記でいうターゲティング以下のプロセスが比例してぼやけてしまうのです。こういったことは実際の戦略でも多い過ちです。多くの企業は、想定するターゲットに計画通りに売れるケースは意外に少ないと思う。稀なのは別のセグメントが反応して、ヒットするケースです。結果論から言えば「売れればいいんだ」という考えもありますが、プロダクト以外のマーケティング活動が無駄足を踏むことでタイムラグが生まれたり、初期の宣伝広告費など余分なコストが発生してしまうのです。


本来は狙いを定めたターゲットに買ってもらうのがマーケティング戦略の目的である。それを実現するには、単純なセグメンテーションによるターゲティングだけだは全く駄目で、「誰に」を深く深く掘り下げて、リアルな人間像まで想定して分析することである。テレビドラマなどで、プロファイリングを職種とする警察官が出てくることがありますが、そのスキルに近いです。戦略の中で一番の肝と言っていいでしょう。コンセプトよりも大事かもしれません。
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