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スバルはグッドなお手本。 [ターゲティング]

不景気の波で、スバルも厳しい状態が続いていた。しかし、変化を遂げることで現在の好調にたどりついた経緯がある。自動車業界の多くのメーカーは、グローバルにフルライン戦略をとり、複数の主要ターゲットに対し、バラバラで製品開発、マーケティングシステム、販売店設置などを行っていた。要は高コストになるリスクをとりながら、高い販売目標を達成しなくてはならない状況下にあったわけだ。


この時のスバルは他の自動車メーカーと同じように、複数のターゲットに対して製品を供給する体制をとっていた。しかし、不景気の波と同時に経営が厳しくなった。加えて自社本位のプロダクトアウトのマーケティングから転換できず、更に悪化していった。


いろいろな経緯を得て、スバルは変わっていくことになる。差別化マーケティングによる各主要ターゲットに向けた製品供給をやめ、集中化マーケティングに切り替え、感度の高いターゲットに絞り込むことにした。そうすることで、限られたリソースを集中させることができ、効率を高められると踏んだ。ターゲットもボリュームで選ぶことをやめ、スバル車の価値に共感し、ノウハウや強みを十分に生かせるターゲットを選択している。選択と集中を志向したのだ。


更にプロダクトアウトからマーケットインに社内の価値観を一掃させ、技術者が作りたい車でなく、ターゲットのニーズに基づいた車を開発するようになってきた。要約すると高コスト体質のビックビジネスから低コスト体質のスモールビジネスにモデルチェンジできたことになる。


スモールビジネスに変身でき、外部/内部環境の変化にいち早く対応できるようになった。他の自動車メーカーは、大きさを保っているため、環境変化に対する動きが鈍いので、ここをスバルの強みにしたのだ。


もちろん、要因はこれだけではない。提携の側面からも業績アップにつながるものがあった。一つは、GMとの提携により、グローバル戦略を展開している組織と交流でき、スバル社員もグローバルな意識を持つようになった。他にも幾多の提携で、企業文化の違う組織に触れることで、社員が多方面に成長したのです。トヨタの傘下に入ったのも、開発リソースを補うなど弱みを克服するためという強かな狙いがあったからだ。


スバルのケースからの大きな気づきは、自らのビジネスのSWOT(強み、弱み、機会、脅威)をできるだけ正確に把握し、それに向けたアクションプランを確実に実行していくことでした。この記事で触れられなかったブランド形成や高付加価値戦略については、いづれ触れたいと思う。

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