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取れるデータは取っておこう。 [定量分析]

データはビジネス上の課題や問題のヒントを教えてくれます。事業内容によって取るべきデータは様々。面倒であることは理解できるけど、経験からくる感覚だけに頼ることのリスクは大きい。仮に感覚的な判断をするにしても精度を高めるには、やはりデータが必要。


私は飲食店時代に、POSレジがあったので、基本的なデータは常に見ることができた。そのデータと睨めっこしていると、自分の感覚では認識できない傾向を読み取ることがあった。それを翌日、翌週、翌月、翌年の判断基準の材料にし、精度の高い取捨選択ができ、未来に向かうにつれ、打ち手の成功率が高まっていく。


経験からくる感覚は、意外と自分に都合のいい見方をしてしまい、事実から外れることがある。人の感覚は多くの場合、バイアスが働く。そのバイアスはケースbyケースで良性にもなるし、悪性にもなるので注意が必要だ。


データを取り入れて成果が出た例として話題になったのは女子バレーである。オリンピック出場を逃した後に、チーム強化の一環としてリアルタイムのデータを生かす仕組みを取り入れた。しかも専任のアナリストもいて、ID野球ではなく、IDバレーである。


試合中、片手にiPadを持った監督が何度も見受けられた。別席にいるアナリストが打ち込み、解析ソフトを通じて監督が認識できる様に情報化され、それを見ながら、タイムリーに選手へ指示を出していった。その結果、女子バレーは世界バレーで銅メダルを獲得できた。


うまくいく条件としては、監督がデータを即座に理解できて、うまく伝達させ、指示が選手に浸透し、コートで実践できなければならない。データの打ち込みからの一連の流れがうまくいって初めていい結果が出るのだ。


もう一度いうが、データだけでも駄目なのだ。データから読み取れないこともある。有名な話では、あるスーパーのデータから判明したのは、ビールと紙おむつの販売数が同じ日に伸びていること。しかし、偶然か必然か判断できないし、因果関係があると気に留める人は少ないだろう。


実は、仕事帰りに紙おむつを買ってきてと奥様から頼まれてスーパーに買いに来た際に、ビールを一緒に買う購買行動があったのだ。これに気づけたのは従業員からの報告でした。データからは見えてこない事象なのです。この事象が判明してから、スーパーではビールと紙おむつを特別コーナーとして並べて陳列するようにしたら、更にセットで売れるケースが増えたということ。


この件から分かるように、最強は「感覚+データ」。片方だけではリスキーな判断をしてしまう。要は定性情報と定量情報の両方をミックスして分析するやり方がベスト。

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