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サービス業での差別化。 [ポジショニング]

私は肩首痛の持病を持っています。東京在住の際は、毎週金曜になると針治療を
受けていました。通っていたのはReFineという池袋にあるお店です。


自宅から近いわけでもなく、自転車で20分程かかる距離にありました。しかし
寒くても暑くても通っていたのです。


実は接骨院や整体院などでは、保険証を提示すれば半額程度で治療を受けられる
場合が多々あります。しかし、保険適用ができないRefineへ倍の金額の支払いを
受け入れていました。


なぜか? 
私が通った4年間は、同じ先生にお願いしておりました。その方は私の体の状態
を把握し、容態に応じた治療をしてくれ、かなり酷い時にはサービス時間を越え
て対応してくれました。こういったことも理由のひとつです。


それ以上の理由が実はありました。それは施術中のコミュニケーションにありま
した。私は、1週間を単位として通っていたわけですが、その週にあったことを
彼に話すことで、精神的に落ち着き、浄化される感覚があったのです。


私は仕事柄、アグレッシブに動いたり、仕事以外の時間もビジネスについての学
習をしたりと、気が緩む時間がありませんでした。担当の先生は、それを察して
なのか、脱力系のキャラクターを演じてくれ、頑張り過ぎない気持ちをもらって
いたのです。


製品の価値を示す3層モデルに例えるなら、1層目の「コアなベネフィット」は
肩首の凝りがなくなること、そして3層目の付随機能にあたるのはコミュニケー
ションによる精神の浄化である。


このお店が戦略的にそういったコミュニケーション技術を高め、狙っていたのか
は別として、私が4年間通い続けた結果として、実績を残せたのである。

ざっくり計算すると
約1回3500円 × 月4回 × 4年 = 67万ぐらい
一人のお客様から年間15万以上の収入を得ていたわけである。



結果として私は、安い費用で済むお店を知りながら、付随機能により差別化され
たお店に通っていたのです。安易に低価格という価格対応するよりも、まずは差
別化できる要素を見つけ出す努力をすること、そしてコアなベネフィットでの
差別化が難しい場合は、3層モデルでいう2層目3層目で差別化要素を探してみ
ることです。

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