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会社を替えても、あなたは変わらない [本紹介]


会社を替えても、あなたは変わらない (光文社新書)

会社を替えても、あなたは変わらない (光文社新書)

  • 作者: 海老根智仁
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/04/17
  • メディア: 新書



▼ざっくりとこんな内容でした
タイトルが気になり、どんな提言をしているのか興味深々でした。著者の海老根さんは核心的な自己分析なくして成功などありえないという思想を持っている。特徴は、自己分析に経営戦略で利用されるフレームワークSWOT分析を使うところ。強み、弱み、機会、脅威に自分の状況をプロットしていくのだ。もう一つの特徴は、さっき核心的と書いたように、枝葉からではなく幹の部分をどうするのか始めに決めること。起業する時によく作られる事業計画書の感覚に近い。著書内ではその自分用の事業計画書の作り方について事例を元に分かりやすく解説されている。


▼印象に残ったところ
・枝葉でしかないスキルや資格
「英語が話せれば・・・」、「資格をとれば・・・」などは自分の事業計画の根幹にはならない。語学や資格は企業行動に例えると施策の一つに過ぎないのだ。幹からの一貫性や整合性がなければ施策を実行する意味は全く無い。私も反省すべき経験があり、資格を取れば世界が変わるような錯覚を持っていた時期があった。しかし、資格をとった人達の話を聞くと、それだけでビジネスが成功するわけではないとよく聞かされた。転職も同じ側面を持っていて、会社が変われば全てが順調にいくような錯覚を持っている人は意外と多い。転職に至った根本的な原因を突き詰めていかないと同じ結果になってしまうのだ。原因を突き詰めることと、自分の事業計画書は同じ深さの意義を持ち、双方とも上辺だけで考えてしまうといい結果は出ない。

・転職志向に対する提言
海老根さんは、今の状況をかなり危惧していて、転職の多くは幹からの判断ではなく、枝葉による判断で転職していると言う。したがって転職は根本的な解決にはならないと断言する。留学や資格取得も転職と同様の位置づけである。幹による判断の場合は、どんな分野の人材市場で、どういったニーズがあり、自分の強みをどう生かせるかを判断材料にしている。その分析をする際、自己中心的な意見を元に情報をプロットするのではなく、客観的な他人の意見を元にするのが質のいい事業計画書を作るコツだという。

・自分のドメイン(たまて@~~~)を設定
自分にドメインを設定するとしたら、どんなものになるだろう。ドメインは、自分の強さをアピールするものであり、どの領域に強いかを示すもの。パッと浮かんだものをつければいいワケでなく、自分がアピールしたい相手、その相手が求めること、そこに生かせる自分の強みが明確でなければドメインにブレが出てくる。ドメインにブレがあると、自分が何者であるか疑心暗鬼になるし、当然ながら相手もそうなる。


▼この本から気づいたこと
・就活に生かせる!
市場やニーズ、強みは、ビジネスのみで使われる概念ではなく、個人にも適用できるツールであることを知った。仮に就職活動をする際に、求人を市場と捉えた時に、どの分野でどんなニーズがあるのかを知り、そこに生かせる自分の強みが合致できれば、志望の動機は明白になり、採用担当もストーリーを論理的に理解できる。ただ市場選定、ニーズ、強みのどれか一つでもザックリしてしまうと、他の求職者との差別化が弱まるし、入社させる動機付けが弱くなる。

・自分にメスを入れられる環境であるか?
自分を分析したり、行動を振り返ったりするのは、基本的に苦手なのが人間である。自分のこころの聖域にメスを入れられる人ほど、成功する可能性が高いと思う。メスを入れるというのは、他人の意見を受入れるということである。自分と他人の視点をミックスしていき、事実に基づいた分析をして、未来を決めていくことが大事なんだと気づいた。


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