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ブランド・マネージャー―たった一人のBMで会社がよみがえる [本紹介]


ブランド・マネージャー―たった一人のBMで会社がよみがえる (リュウ・ブックスアステ新書)

ブランド・マネージャー―たった一人のBMで会社がよみがえる (リュウ・ブックスアステ新書)

  • 作者: 水野 与志朗
  • 出版社/メーカー: 経済界
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 新書



▼要約するとどんな本?
ブランドマネージャの視点で書かれていて、どういうプロセスでブランドを構築し、誰の協力を得て、どんな意識を持てばいいのか、リスクは何なのかなど、実務視点になっている。事例の舞台は大企業だが、十分に中小企業の製品やサービスでも参考になる内容だった。自社サービスが市場からどんなイメージを抱かれ、製品カテゴリーの中で何番目に想起されるかを認識する意義は大きく、日々の広告活動の成果と見直すべきポイントが見えてくる。


▼こんな人におススメ!
ブランド担当者でなくても、製品やサービスを扱う人は、参考になる情報がたくさんある。特に製品の広告宣伝に関わる人におススメ。マーケティングやブランドは、用語自体は広く知られているが、その意味やプロセスを正確に理解できている人は少なく、言葉だけが先走りしている印象がある。この本ではブランドがどんなプロセス構造で、どんな効果を発揮するのか理解できる内容になっていて、謎めいた部分を解き明かしてくれる。


▼気づき
・新しいカテゴリーを作れ
新しいカテゴリーを作り、競争を回避することがいかに大事であるか確信できた。そのカテゴリーの代名詞にブランド名が適用されれば長期的な成功を勝ち取ることができる。そして、追随し後発参入してきたブランドがあれば、そのカテゴリーを構築したことの正しさが証明される。なぜならビジネスとして魅力的でなければ後発参入は絶対にしないからである。注意すべきは、後発参入に代名詞を奪取されないこと。

・事実から全ては始まる
会議の目的によってはアイデア量産は悪くない。しかし、ブランドやマーケティングをリカバリーする場合は、事実を知り、有効な指標で分析し、定量的なステータスを把握することからやらなくてはならない。著書内にも書いてるが、結論ありきやアイデアありきで進めることはリスクそのものだ。一般的に言われるPDCAをしっかりサイクルさせることにつきる。

・成功したブランドにブレはない
良好な結果はすぐに出ないことが多い。時間をかけて熟成して育むのが定石だ。よくあるのは、結果が出ないため不安になり、戦略の根幹を変えてしまうこと。そうなると市場に対してやってきたメッセージも変貌し、受け取る側は混乱したり、興味を削がれてしまうことになる。不安になったとしても原則は根幹を変えずに目先を変えるようにすることが必要。なぜなら言葉以外も含めたメッセージの核心が受け取る側に長年蓄積されてブランド力につながるからだ。

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