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ブランド形成に物語を盛り込むの巻。 [ブランド]

数年前までNHKで放送されていたプロジェクトXという番組をご存知だろうか。内容は様々な困難を乗り越える姿を描いた成功物語をドキュメントタッチで振り返るもの。高視聴率が長期的に続き、ちょっとした社会現象になった。見てる方は、感動できることを期待していたのかもしれない。


この番組に取り上げられた企業の宣伝番組として仮に捉えた場合、扱われたサービスや製品に対する消費者の見方は全く違うものになり、同等レベルの製品やサービスを供給する競合がいても、取り上げられた企業を選択して買う人が大多数を占めるだろう。


日本人は人情を重んじる傾向が強いので、感動させられた製品に対して思い入れが強くなる。プロジェクトXレベルの効果を一般的な広告で発揮するのは不可能に近い。それだけNHKという放送局としてのステータス、番組の注目度、当事者の生出演など、広告では到底実現できない影響力を発揮しているのだ。


しかし、そこまでの効果を発揮できないにしても、広告手法としては充分に利用できるはずだ。起業や企業を成長させていく中で、エピソードというのはたくさんあるはず。その中で顧客に感動や共感を呼び起こせるエピソードがあれば、積極的に伝えていく方がプラスの面が大きい。もう少しライトに真面目さや誠実さが伝わるエピソードもいいと思う。


例えばリーフレットや紙チラシ、Web上のサイトに掲載して、物語を多くの人に伝えていく方法もある。短期的には効果は出ないかもしれないが、製品やサービスがリピートされるにつれて、その物語の効力が発揮されてくるだろう。例えば、口コミされる際に、その物語がセットとして伝えられることで、製品やサービスに機能的価値以外に感情的な価値が付加されるだろう。


そうなれば消費者の経済的判断の占める割合が小さくなり、企業側が価格訴求に依存する割合も減る。要は価格以上に消費者が自分の感情的ベネフィットを見出したことによるもの。

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