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無料は当たり前と思われたらアウトです。 [プライス]

先日の日経MJ新聞に美容院の事例が紹介されていた。髪を染める
際に髪染め剤が付着しないように、服の襟をラップでくるんであげ
ていたが、お客様の反応が全くないため、一言添えるようにしたと
のこと。

「洋服汚れないように、ラップしておきますね」

この一言を添えてからは、お客様より感謝の言葉をもらえるように
なったそうです。


お店側がお客様に抱いて欲しい気持ちと実際の気持ちが全く相違し
てしまい、本来髪染め料金にプラスしてもいいコストのかかる行為
に対して、感謝されないことが当たり前になっていたんですね。


<お店側の意向>
髪染めサービスに含まれない特別なサービスと認識して欲しい

<お客様の気持ち>
髪染め料金範囲内のサービスまたは襟のラップ自体に気づいていない


だからといって、お客様に対してストレートに
「有料サービスを無料にしてます」
などと今更言っても不振に思われるだけである。


先の美容室の言い方であれば、少なくても感謝の言葉を頂けるよう
になり、特別サービスだと認識するお客様の割合は増えるでしょう。


このケースから分かったのは、本来有料であるサービスが無料になっ
ていると認識され、顧客満足度が高まらなければ、感情的ベネフィッ
トの側面では効果をまるっきり発揮できていないのです。


有料であることが一般化しているサービスならば、そのギャップは認
識されやすい。しかし、判別しにくいサービスは啓蒙する必要がある。
このケースは、その啓蒙の一つの手段なのです。


大事なのは、提供者側が狙う成果が何なのか明確にすることと、その
成果に向けたストーリーとロジックを緻密に組み立てることです。


このケースのロジックは、
 ①特別サービス→②顧客満足度アップ→③リピートしてもらう

※参考までにソーシャルゲームのロジックの例は、
 無料ゲーム→面白さを認知→コンテンツ内でステージアップの欲求発生
 →欲求が更に高まり有料でも継続したい→有料ゲーム利用


①と②の前や間に、特別サービスだとお客様に認識して頂くステップが
必要だったんですね。後の一言声をかけていた言動は、的を得たアイデ
アだったのです。


最後に、無料が当たり前になってしまい、お客様の心に響いていない
サービスがないか、再確認頂きたいのです。効果を成していないコス
トの垂れ流しはすぐに改善しましょう。

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